茶の湯入門 おしゃれな茶道 美しい作法と心得

鈴木宗松/金園社/1990年。

有楽流の先生が書いたお茶の入門書。


これ、結構いい入門書ですよ。


“お茶の心と美しい動き”の章では、いろんな美しさを強調。

「美しく座る」「美しく立つ」「美しく持つ手」「美しく置く手」いろんな所作の美しさに関して書かれているが、「美しい空き手」という項があるのが面白い。


“楽しいお茶会にお招きされたら”の章では、招かれた後の手順として

出席の返事を出してから、お茶会の前日か前々日に亭主の家へ前礼にうかがいます。
(中略)
もう一つ大事な目的があります。当日のお茶会に遅れないために、亭主の家までの
道順や、そこまでの所用時間を調べておく事です。

前礼に関してきちんと書いてある入門書は珍しいのではないか?

というか、大寄せでの薄茶一辺倒の作法ではなく、小間で席入→懐石→お菓子→お茶、という順に作法を追っかける入門書も珍しい。

手ぬぐいは蹲踞用とトイレ用と2枚持って行け、とか、かなり実用的な内容。


“お茶のお稽古がしたいと思ったら”の章では入門の仕方、あいさつの仕方等を紹介。


そつなく、しかも面白くまとまっていると思う。


ただ、買う時に期待した「有楽流っぽさ」ってのは巧妙に消されていたのが残念。


茶の湯入門―おしゃれな茶道 美しい作法と心得 (Orang Books)

茶の湯入門―おしゃれな茶道 美しい作法と心得 (Orang Books)

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