鈍翁と魯山人

鈍翁 益田孝より。

さまざまな芸術家のパトロンだった鈍翁だが、魯山人の接近を回避しつづけたらしい。山師的な雰囲気を回避しての事ではなかったか、というのが著者の考え。

その為、魯山人は鈍翁の庇護・指導を受ける事はできず:

それはまた、魯山人の芸術にも明らかな限界をもたらしてゐる。
たとへば、彼の最も多い陶芸作品でも、食器には傑出してゐるが茶器はそれほどすぐれた作は多くない。

作者はそれを嘆く。著者は魯山人の伝記も書いている人であるから、かなり事実に近い内容なのであろう。


少なくとも私の感覚として、魯山人は有名作家だがいまいち茶味がなく、茶の湯の世界ではさほど珍重されていない印象が有る。

鈍翁と魯山人がタッグを組んでいたら、もしかするとその流れが変わっていたのかもしれない。

…でもなぁ。鈍翁にお世話になった松田権六が茶道具の人かというと、そんなこともないよーな。