蒟醤

南の島の、ロコ向けのコンビニの片隅には、大抵オリーブの様な実と白い粉が売っている。

これはビンロウジの実と、生石灰である。

日本では一般的に、刻んだビンロウジの実と生石灰をキンマの葉に包んで噛む事で、ドラッグとしての効果がある、と言われている。私の行った島では葉には包まないみたいだった。んでロコがもぐもぐしては赤い唾をペッペッと吐いていた。


さて、このビンロウジなどを納めた漆器が日本に伝わり、蒟醤手となったと言われている。

しかし、容器だけ伝わる、というのもなんかおかしい。中身が輸入されなかった方が不思議。
多分、日持ちがしなくて実は輸入できないとか、日本で栽培もできないとか理由があったんだと思う。だって酒と茶と煙草、というドラッグパーティーが茶道の本質だもんね。


せっかくなので、現地で今はどうしているのかちょいと調べてみた。


…プラケースだったよ。ま、そりゃそうか。


東南アジアの大陸側と違い、ミクロネシアの島々の民芸は、木をくり抜いただけの器ばっかり。漆塗りも無いし、また、隆起珊瑚の島では陶器も難しい。

残念ながら見立て茶器を探すのには不適だったなぁ。