古事類苑3 暮の茶湯

備前老人物語より:

暮の茶湯といふことあり、會席をつねよりはやめに食し、
酒すぎ湯呑終らば膳をこなたよりをし出すほどにして、はやく座をたち露地へ出るべし、
亭主その心を志らば、これは忝とて茶請をもち、露地へ出べし、
客も忝とて則食し手水鵜飼してはやく座敷へ入るべし、
亭主もその心得にて茶をたつべし、
掛けもの花など見ることも其外一座の禮みな心得あるべし、
畢竟燭の出ぬ前に道具などみて仕廻うがよきとの心もち也、

夕暮れの茶の湯では、懐石をさっさと呑み食いしたら自分から膳を返すぐらいの勢いで中立に持ち込む。
亭主はそれを知り、菓子をもって露地に出る。客は菓子をくったら手水鉢使わずに席入り。さっさとお茶を済ませて日が暮れるまでに帰ろう。

…って事?

「暮」が年の暮れなのか日暮れなのかは「燭の出ぬ前に」終る事から日暮れと判断。


しかしあわただしいなぁ。

夕方の露地だか腰掛だかで急いでモッシャモッシャ菓子食う客達…というのもほほえましいというか、あほっぽいというか。

あと、本来中立で手水使うのは食事で汚れた手を清めて後座で拝見する道具を汚さない心得だから、手水使わないのは如何なものか。

本当にあったのか?こんな茶事…。