古事類苑13 隅炉の小板
茶傳集より:
一 隅炉には勝手ノ方爐丈ケにして、巾一寸七分五厘の板を必入ル也、
無左候へば柄杓引にくヽ、爐のほめきにて壁痛ム也、
隅炉には勝手の方に炉の長さに巾5センチくらいの板を必ず入れる。
で無いと本勝手の時左過ぎて(右手で)柄杓引きにくいし、炉の炎で壁が痛むよ。
って事?
小板の存在理由としては比較的納得感が…ある…のか?
しかし、たかか5センチの差でそんな引きにくくなったりすんのかね?
偽の炉↓を所定の位置に置いてやってみた。
http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20081120
確かに小板分楽かな?と思えなくもないが、正直実用上問題になる様な差は感じない。
…でも、やってみた事で別の事に気付いた。
小板の巾を勝手側にプラスする事で、炉縁の客付側、その中心がちょうど畳の中央あたりに来る。
- 京畳のサイズは910mmである。
- 炉縁のサイズは424mmである。
- 京畳の中心は両端から455mm。
- 小板付けた炉縁は壁から424+50=474mmの位置に来る。
- つまり中心線から474mm-455mm=19mmだけはみ出す。
- 炉縁の太さは36mmなので、炉縁の客付側のほぼ中央が畳の中央と一致する。
この畳の真中に炉縁がかかる、というのは精神安定上すこぶる効果があるなぁ、と思った。
むしろこっちが理由の方が納得いくんだけどなぁ。