古事類苑15 道幸
茶道望月集より:
一 右道幸を見立初めたる事は、手グツ人形をツカイ初タル者を道幸の坊といふ也、
箱をせおふて旅行自由する様に拵、夫に色々人形を入てツカイ歩行せし、
其箱より見立て初し事と也、其人の名を取て今以道幸と云と也、
今も西の宮より出て、手グツ坊まはしとて、其餘風有也、
洞庫を道幸といったのは、パペットの創始者が道幸の坊と言ったから。
背負った箱にいろんなパペットを入れて巡業していた。
その箱から見立てて、創始者の名をもらっていまだに道幸と言うんだ。
今も西の宮からパペット芸人が来るのはその名残りだよ
…ってな感じか。
書言字考節用集より:
道幸棚
茶室所言、蓋道幸者、泉南人嗜茶、老後便起居設之座右、
貯茶器故名、或云、業傀儡所用者、則其匣而巳
泉南の道幸という人が老後に便利な様に座の横に作り茶器を置いたのでその名が有る。
あるいはパペット芸人の持ってた箱にちなんだとも云う。
…どっちだよ。
洞庫に道幸と漢字をあてるの由来が人名である、という話は聞いた事があるけど、巡業パペット芸人だったとは…。