古事類苑16 露地と侘び

和泉草より:

一 古來ハ路地ナシニ表ニ潜ヲ切開キ、座敷ヘ直ニ入リタル也、侘ビテ面白シト也

昔は露地ってのは無く表にくぐりを付け、座敷にいきなり入ったものだ。侘びて面白かったね。

…ってことか。

初期茶道に本当に露地が無かったかどうか、というのは考証しづらいので、おいとく。

面白いのは、露地が無い方が侘びている、という発想である。
という事は、立派な露地を持つ、という行為は侘びていない、という事になる。


和泉草の筆者の思惑はどうあれ、確かに立派な露地を整備する事は金持ちにしかできない。市中の山居を気取る事自体がスノッブな事と認識すべきなんだな。

だから、侘び茶を目指すなら、別に露地とか無しでいいんだ…という応援を貰ったものと考えておこう。


…でも、なんで「侘びた露地無し」から「侘びてない露地」に、茶の湯の主流は変遷したのだろう?