空手水

三国志の"魏志 武帝記"の注釈に、武帝 曹操が宗廟での祭り方を改めた話が載っている。

また、祭祀を前にして手を清める際、手を水につけるまねをして洗わない〔のが従来の慣習である〕。
だいたい清めは清潔をもって大事とするのだ。まねだけして洗わない礼など聞いたことがない。
そのうえ『神を祭る際は神がそこにおわすようにせよ』(論語)という。
したがってわしは親しく水を手に受けて洗うことにする。

つまり、儒教の礼の中に、空手水があって、曹操は「空手水はおかしい」と批判しているのである。

日本が邪馬台国卑弥呼だった頃に、中国では礼法に空手水が採用されていて、しかもそれを虚礼だと怒っている王がいたのである。

…すげーよ中国。


にしても曹操はお茶をやらせてみたかった人物である。

人が好きで、詩が好きで、ごちそう好きで、酒が好き。建築好きで、女好き(関係ない)。それに加えて権力者。

きっといい茶人になると思うんだけどね。