茶道具づくし

森可昭/自費出版/1988年。

茶道具づくりにハマッた茶人の、自作茶道具に関する自作茶書?

茶碗、茶杓、水指、棗は当然として、釜(陶器製)とかまで作っている。料理をし、菓子を作り、抹茶まで挽く。すげえ。


但し当人は:

茶の湯で用いる道具は、名物や由緒ある品にこしたことはない。
(中略)
出来る事なら、鑑賞にあたいする道具が欲しい。しかしこれは無い物ねだりである。

と、本当は自作道具でない方がいい事はちゃんと判っている模様。

申し訳ない…と思うのは、手作りの道具でお茶を召上がるお客様である。

ほらね。


しかし、自作茶道具だけの茶会(しかも大寄せ)をやろうとしてたりもする。

さすがにお茶の先生が簡単には許さなかったらしい。

しかし先生が大幅に譲歩されて、"手づくり茶会"が実現することになった。ただ床の掛物だけは「墨蹟でなければ…」と自作は許されなかった。

墨蹟はダメだろ。拝見の時に礼さす様なもん、自分で書く程自分は偉いんか?という事だから。…にしても。未練たらたらですな。


自作好きの自分にとっては先達なのだけれど、それだけに過ぎたるは…的な意味でも参考になる。

…っていうか、駄目だろ、こんなに頑張りすぎちゃ。