畠山記念館 茶の湯の美 数寄のかたちと意匠

畠山記念館に行くと、まず大抵は床を拝見する。茶人の習性だよね。

小上がりに上がって、正座して、とりあえずおじぎして、拝見。

…高い。

関戸本古今集切の高さ、高すぎて拝見できねぇ。首が痛い。

あのさ、床みたいなの作るんなら、掛ける軸も尋常な高さにしてもらわないと、ちゃんと拝見できないよ。

宗峰妙超墨跡なんて、立たないと見れないよ。

さてお道具は。

粉引茶碗“放れ駒”。見込みにうっすらと馬頭星雲の様な染みがある。まんまやね。
藤村恵翁茶杓“腰蓑”。節から下に細かい縦筋の景がある。まんまやね。
豆彩騎馬人物文器。このシノワな小壷に、梨地の蓋を付けるセンスが素晴らしい。
関宗長の小棗。見事!としか言えない。というか、蒔絵も何もない棗を褒めるには、どういうボキャブラリーが必要なのか。
南蛮縄簾水指。この手の土物。ハンネラとかどうして和むのか。
ととや茶碗“芳埜”。表から見ると、見込みがオレンジ。外は青味がかっている。ところが、反対に回ると、見込みが青、外はオレンジに見える。照明で色が変わって見えるのだろうか?不思議な茶碗。ちょっと外側のろくろ目が強すぎる気がしなくもない。
唐物籐組茶籠に、今回組み合わせて展示された道具も面白かった。黄瀬戸草花文茶碗とか、蝶草花蒔絵棗とか。学芸員のセンスの勝利って感じであった。

で、一番印象に残ったのは千道安作の瓢花入“木菟”かな。なんとも存在感のある花入。思わず「たーらこー♪たーらこー♪」とか歌ってしまえる。

ところで、畠山記念館では屋内に茶室風設備があるんだけど、あそこの蹲踞って使っちゃっていいのだろうか?使わないか、ふつー。でも気になるじゃん。