かみのやま温泉
所要あって山形へ。
かみのやま温泉に宿泊。
この温泉地で、数寄の面で予期せぬ喜びがあったので報告。
まず春雨庵。
ここは沢庵和尚が紫衣事件の時に流刑された場所で、地元の領主が沢庵に庵を寄進したそうな。で、その庵、が再現されている。
そこに、茶室が二つ併設されている。
一軒は水屋付六畳のはなれで、これはごく普通の茶室なのだが、もう一軒がおもしろい。
三畳の小間なのだが、正門から六畳茶室に向かう通路として使われており、露地門としても、腰掛けとしても機能していると思う。
平面図はこんな感じか。
aが三畳の茶室。WCは雪隠。
bは、茶室が小上がりの様になっているので、その外で礼したりする為の台。
cは腰掛け。
dは小さな池である。建物の塀は、池の上を空中で通過する。
なお、上半分の茶室のある部分は屋根付きの建物だが、下半分は庭を塀で囲ったものである。
Aから入って来た客は、B方向にある六畳茶室に行く事もできる。
しかし、三畳の茶室を使って茶事をする事もできる。
aの茶室は三枚の障子で通路と区切られており、ここの開け閉めで客の入口ができたり、茶道口ができたりする。
おそらく水屋ははなれの六畳のを使うのだろう。
客数や気分でいろいろな方法で使えそうな茶室だし、池の上を渡る塀といい、雅味があって大変よろしい。
あと、蟹仙洞博物館。
地元の生糸成金の人の、おそらく自宅を改修した美術館。
主な展示品は日本刀と堆朱。
日本刀は、お金持ちらしいポピュラーな収集傾向。でも、展示のライティングが絶妙で、刀が大変見やすい。
堆朱は実に大量で、質の高い物も見れてお腹一杯になる。
いや、これらの「いいもの」が見れるなんて思いもしなかったので、大満足でした。