一個人 やきもの入門

本屋でなにげなーく手に取って、内容に驚く。
レベルの高さにびっくりという意味で。


“やきものの基本の「き」”という冒頭の特集からして、茶人寄りの特集になっている。
器の形と、高台や見込といった部分名称、しかも井戸形だの割高台だの、あまり基本という感じでもない。


絵付けでの加飾と釉薬による加飾が別々に分けてある上、志野釉の実例が卯花墻の写真だったり、粉引の例が半泥子だったり、写真だけでも随分楽しめる。


東山御物としての曜変天目(稲葉天目)、馬蝗絆。名物として付藻茄子、松花と金花の茶壷、初花肩衝、上杉瓢箪。それぞれの説明。


「やきもの入門」とは思えないくらいレベル高い。

っていうか、茶陶入門って方が正しくないかい?いや、入門を超えている気もする。


“全国やきものの里を歩く”という企画は備前、有田、唐津、九谷、瀬戸、美濃、萩、京、信楽

九谷の項には、古九谷の場所論争に関してもちゃんと書いてある。


“現代の陶芸の人間国宝珠玉の名品”はなんとプレゼント付き。


“やきものの扱い方の心得”。陶器と磁器を重ねて収納しない、とか、上絵付の器に酢のものを盛るのは避ける、とかの実用的な話もある。


かなりてんこもりで、びっくりした。オススメである。