茶入について
茶道具屋に並ぶ新物の茶入で、牙蓋がつるんとした白い奴ですっごく味気なくてつまらない時がある。
若手陶芸家の展示会とかに行くと、牙蓋すらない茶入が置いてあったりする。
そこで、疑問がひとつ生まれた。
茶入には、牙蓋と仕覆とが付属しているが、これは誰が付けているのだろう?という疑問である。
私はある作家の個展で新物の向付を購入した事がある。
その時は、購入したのですぐ持って帰ろうとしたんだけど「じゃぁ箱作って送りますから」と言われて、その場では持って帰れなかった。
…考えてみれば、売れるかどうか判らない道具の為に箱を作って置くのは不合理で、むしろ売れてから箱を作った方が合理的ではある。
これは茶入の箱も同じだろう。
しかし、牙蓋と仕覆は茶入の一部であって、一体として評価すべきものなので、同じ様に考えるわけにはいかない。
茶入を作るのはどっかの陶芸家である。
この陶芸家が、自分の茶入にふさわしい牙蓋と仕覆を発注するのだろうか?
もしそうだとすれば、茶入作りの腕はいいけど牙蓋や仕覆のセンスが悪くてすっごく評価が下がっている、みたいな人がいるのではなかろうか?
それとも、陶芸家から仕入れた茶道具屋(か問屋?)が付属させるのだろうか?その場合、陶芸家の評価は扱う茶道具屋のセンス次第になるのだろうか?