境地
改まった場所で、改まった気持ちでお点前をする。
そういう時に、私は独特の「境地」に入り込む。
説明できないが、普段のお稽古にはない境地。
静かで透明な気持ちになる。
さて、大寄せと言う場で、ちゃんとした茶室で、お客さまの為を考えてお点前をする。
膝下にはこっそりとプロテクター。万全の準備で足も痛まない。
私は足の痛みが苦しくてお点前を急いでしてしまう悪癖があるが、これなら平気。
落ち着いた、深い海の様な気持ち。
こんな気持ちはじめて。もうなにも恐くない。
ん?水指の蓋を早く閉じてしまったか。でも落ち着いてリカバー。もう一度開き直して水を汲む。落ち着いた海の様な気持ちで動ぜずできた。
終わった後で、拝見の時の胴拭きを忘れていた事に気付く。
独特の境地に入って、落ち着いて茶の湯ができたからって失敗しなくなるわけじゃねーのな。…役に立たねーな、境地。