ドラの音

母から聞いた話。

先生が亭主で、先生の先生、つまり大先生を正客に茶事が行われたそうな。

先生もいいお年なので、当然大先生は大層お年を召した方。
しかし弟子達は初心者揃い。まずは正客である大先生の真似をすればよい、と考えた。

菓子を食べ中立ち。全員腰掛けで待機。
亭主は銅鑼を打って客を呼んだそうな。

かなり耳の遠くなっていた大先生、片手を耳に添え、銅鑼が鳴ったのか耳をそばだてた。
当然その他の全員も片手を耳に…