貫入

いきつけの居酒屋であ鉢や小皿の欠けた所を金継ぎして使っている。

でもこの金継ぎ、漆+金ではなく、エポキシ接着剤+ペイントマーカと思えてならない。食品衛生上問題な気がする。

実は一般的なイメージと違い、金継ぎは脆い。特に金粉は簡単に禿げてしまう。茶道具の金継ぎが割と長持ちするのは、茶人が茶道具を大切に大切に扱うからで、金継ぎが強いわけではない。
特に水につけっぱなしにするのが弱点なので、流しにドボンとつけてガシャガシャ洗う居酒屋の扱いだと、モノホンの金継ぎなんてイチコロだ。

ところでこの居酒屋には不思議などんぶり鉢がある。
全体に貫入が入っている堂々たる丼。

でも良くみると、この「貫入」、全面プリントなのだ。つるっとした丼に線書きした貫入が印刷してある。わけわからん商品が世の中にはあるものだ。

そういえばダマスカス鋼模様の印刷されたナイフ、とかもみたことがある。製造の難しいものをごまかしちゃう手法として、プリントと言うのは今の技術を持ってすれば可能なわけだ。

こうなりゃ曜変プリントの天目とか、馬蝗絆模様の青磁とか、雨漏り手プリントとか七化けプリントとかがあってもいいんじゃなかろうか。笑いはとれそうな気がする。