オタク
私は80年代前半をオタクとして過ごした。おたく、という用語が差別用語として世に出た時を、中森明夫と大塚英志の論争を固唾を飲んで見守っていたのを覚えている世代だ*1。
今も性根としてはオタクだが、現役を張っている感はない。「萌えー」とか言った事はない。ほぼ引退したオタク*2である。
今のオタク達がどういう存在なのか、正直私には判らない。確実に世代ギャップというのはある。多分たいして違わないんだと思うが。
私の世代のオタクの特徴は以下の通り。
- 物への執着。常識的には考えらんない様なゴミを高価でやりとりする。
- 些細な細部への異常な拘り。
- パロディを愛する。すなわち作品を分析し、その引用を愛する。
- 身なりへの不執着。というか、衣料費なんぞに金を使うかという態度。
最後のは合致するかどうか判らんが、利休も織部も遠州もオタクだ。
極初期のおたくの定義が「業界ゴロ」であったのを想定すると、利休達は差別語としてのおたくですらあった、と認定していいかもしんない。
え、文化の創造者と消費者は違う?まーね。でも利休や織部の陰には、きっと文化を消費するだけの人々がいっぱい居たはず。
だから、まぁ、なんだ。年を経て、私らオタクが茶の湯に迷い込むのは、ある種の必然なのかもしれん。