齋田記念館 館蔵茶書百珍

齋田記念館は、齋田氏が製茶業の中で収集した資料、特に茶書の展示を行う小さな博物館である。

茶書の展示は地味だ。そこに名物茶器の華やぎは無い。茶書の表紙を見たからって、なにが判るわけでもない。どう見せるか、その見せ方に関し、学芸員の実力が問われるところである。

齋田記念館に関して言えば、学芸員の実力が高すぎる、面白すぎる。こう言うしかないだろう。

今回は古今の茶書の「おいしいエピソード」をパネル展示で紹介してくれている。

松屋会記』。松屋さんが仕掛けたどっきり「ねぼけ茶事」の話。

『松平不昧傳』。不昧が裏千家を訪ねようとしたら「大名としてなら銀五十枚。お忍びなら銀三十枚」を請求されて「それ茶人としてどーよ」とがっかりした話。

神道茶の湯』。僧侶が茶と茶道を伝える数千年前、皇族により創始された神道茶の湯があった…トンデモ本まで収集だ。

『大正名器鑑』。大将目ぇ効かんってタイトルでしたか。

近代数寄者に関しての面白話も一杯なので、茶道史好きにはこたえられません。

あ、『へうげもの』も展示してありました。百の茶書の一つとして。自由闊達だなぁ。

あと『茶話真向翁』。苦虫噛んだダルマさんみたいな顔が描いてあって、こりゃ藪内の人だな、と思ったら五代藪内竹心だった。血の濃い一族やね…。

ここの欠点の一つは土日休館な事である。でも第4土曜は開館なので、そこを利用が吉。

もう一つの欠点は「資料を借りてって読めない」事。そこに茶書があって、内容紹介されているのに手に取って読めないのだ。読みてーよー読みてーよー。

追記。
入場券半券の裏には第3土曜が開館と書いてある。多分第4が正解。