みせびらかし

子供のころ、玩具を買ってもらったら、近所のともだちにみせびらかしたものだった。

「いーだろー」

んで、うっかり学校へ持っていって没収されたり。くだらない、クソガキの浅はかな心の働きである。

だが、茶道の基本はこの感覚にこそあるのではないか?

茶道とはおもてなしの心、とかいう人がいるかもしれない。でも、客をわざわざ呼んで茶事を開けるのに、不意に訪ねて来た人をもてなすのが難しい、そんな接待術が「おもてなしの心」とは言えまい。

おもてなしの形式をとったみせびらかしの心。みせびらかすのは道具だけとは限らない。趣向であったり、茶室であったり、茶室の立地だったり、もしかすると客の顔ぶれをみせびらかしたいのかもしれない。

クソガキではないので、みせびらかしつつも、厭味が残らないようにする。これが茶道ではないか。