師匠の指
少なくとも私の稽古場でのお点前の練習は、私がお点前している所を「そこ違う」と先生方が指摘する形で進行する。師匠が見本を見せてくれるわけではない。
だから、他人のお点前を目で見て勉強する際も、師匠/師範代のお点前を見せて頂くわけでなく、先輩/後輩のお点前を見せて頂く形になる。
でもこの前、割り稽古で師匠が帛紗捌きの見本をしている所を拝見した。
指の動きの美しさにみとれてしまった。どーすればああも美しく帛紗が捌けるのかと。
この1年いっぱい帛紗捌きしてきたけど、あの領域に達するにはどんだけ練習がいるのだろう?先はまだまだ長い。
…というのと別に、大変若々しい師匠も指はお年を召しておられるのにも気付く。手は年齢を隠せないと加納刑事も言ってるが本当かも。
人前に出る仕事だから表情や居住いはハリがある。でも水屋仕事は避けられないし、庭や花も手入れしなければいけない。手のケアなんてしてらんない。
華やかさの中に、仕事人の手を備える。お茶の先生というのはそういう風に年を取る職業なのかもしれない。