一酸化炭素

義母との数寄談義。

炭点前はねぇ。一酸化炭素中毒が恐いのよね」

確かに。炭は一酸化炭素中毒が恐い。

「私も何回か死にかかったわ」

何回か?!それは多すぎでわ?

義母が一人で炭の練習、という事もないだろうから、茶事の時か、お教室での炭の練習の時だろう。主客合わせて何名かが合わせて逝きかけた×複数回ということか。

一座建立(墓を)。和敬入寂。末期一会。茶道は死をも恐れぬ趣味だとは。


私は子供の頃、古い日本建築の家に住んでいた。

廻り縁の廊下の板には隙間が空き、縁の下が見えた。そこから入って来る風が茶の間に入って来るのを防ぐのは、障子一枚だけ。寒い寒い屋内だった。
その後、団地に引っ越した時は、屋内のあまりの暖かさに家族で喜んだものだった。

今、一戸建に住んでいるが、昔の日本建築の寒さはない。
逆に云うと、通気性は確実に悪化している。

茶書をひもといても炭で死ぬ茶人の話は聞いた事がないので、昔は建て方の精度もあって問題にならなかったんだろうなぁ。