食籠
義母との数寄談義。
お義母さん、これ、食籠じゃないですか?
「ああ、それ?表(千家)さんの道具なのよねぇ」
その認識は正しくないと思いますが、まぁいいです。
「それ、あんまりお菓子が入らないの」
そうなんだよね。この会話が、裏で食籠を使わず、縁高を使う理由をほとんど示してくれている気がする。
食籠は、三個とか、多くて五個くらいしか菓子が入らない。
だから、正客から三客くらいまで食籠。後は菓子鉢を持ち込む事になる。
それに比べて縁高は、たくさんの菓子を出す場合に便利だ。
裏としては滅多に招かれない小間の茶より、行く機会の多い大寄せとかに焦点を合わせて縁高を使うようにしたのではないだろうか?
ただ、鑑賞対象としては食籠の方が楽しいんだけどね。