師匠の手本

私は未だに師匠のお点前を見た事が無い。

妻に聞いても、かっていた教室でその教室の大先生のお点前を見た記憶がないという。

他の習い事で先生のお手本が見れない、というものは少ない気がする。
なんでなのだろう?

習字だって華道だって先生の作品を見た事が無い、という事はないと思う。
ピラティスで先生がポーズを取らなかったら生徒はびっくりするだろう。

アイススケートのコーチがトリプルアクセルできるとは限らなかったりするが、これは生徒の身体能力の方が当然高いので仕方が無い。でなきゃコーチがオリンピックに出る筈だ。

でも茶道では教室で一番上手なのはその教室の先生の筈なんだけど、あんま見せてくれない。これは不思議だ。

…と思っていた。

最近、かなり上の先輩の手本を見せて頂いた。

流れる様にお点前が進み、自分がどこを見てんだか判んなくなる。

ひと手順失敗して、先生に指摘された瞬間にやっとどこやってんだか意識が追い付いた。

そうか、うますぎるお点前は目に入って来ないんだな。

それよりはあんまうまくない人(失礼)のお点前を見て、先生の指摘を聞いて反面教師にした方がいい、のかもしんない。