ひどい茶杓

うちの妻と義母が昔、鎌倉の某お寺へ行った時、坊主の口車にウマウマのっけられて、いつのまにか茶杓を買わされた、という事があったらしい。

で、その茶杓が私の手元にある。

樋がない。味わいもない。はっきりいって300円クラスの茶杓だ。

でも筒は立派だ。墨痕黒々と寺の名と坊さんの名前。でも共筒ではない。


思い入れなく適当に作って、組合わせて販売。ひどいもんだ。


さて。茶道具屋に行くと、いろんな人が作った茶杓が置いてある。

半分ぐらいは樋のない、いい加減な茶杓だ。そして残りの半分のほとんどは、樋はあるものの、見所のないいい加減な茶杓だ。ひどいもんだ。

でも買う人がいるから、作る人がいるのだろう。
道具の善し悪しではなく、作者来歴に金を払う亭主。それを出されて、作者を褒める客。
実にくだらない。茶道のこういうトコは嫌いだ。