尻が肥える話
数年前まで、デザイナー家具でおしゃれインテリア、つーのが流行していた。
私もブームにのっていろいろ椅子を探しまわっていた。
試着というか判んないが、それこそ本当にいろいろな椅子に座ってみた。
そして、だんだんと椅子の座り心地に一家言あるひとになってしまった。目が肥える、でなく、尻が肥えてしまったのだ。
大抵の椅子の座り心地に満足できなくなった。
ほとんどの椅子は座ると「駄目だこりゃ、もっへ〜」といった気分になる。それで椅子が買えなくなった。
結局、イームズラウンジチェアに落ち着いて事無きを得たが、実用品に対し、分限を超えて目ばかり肥すと、あんまりしあわせにはなれない気がする。
道具屋で見る物が下手に見えて買えなくなるかもしれない。
もしかして人んちで感心できなくなるかもしれん。
名品見るのもほどほどにした方がいいかもな、とか思ったり。