眼の力 夢の美術館

戸田鍾之助&博/小学館/2006年。廉価版の方である。

道具屋谷松屋戸田商店の社長、前社長親子が語る道具の数々。

そして取りおろしの超美麗な写真達。

素晴らしい。廉価版でない方はもっとすごいんじゃろうな。…所々に出る社長親子の大アップ写真は、いらないけどね。

出て来る道具が喜左衛門をはじめとする名品ばかりだから、んもー褒め倒しである。この二人の前にビッミョーなランクの道具を出してみたいなーとかも思ったり。

以前、2008-10-22の記事で、なぜ平瀬露香は乙御前に五郎棗を付けてくれたのかの疑問を書いたけど、その答えがこの本の中にあった。

3回目の入札のときに、ほかの茶碗と間違えて出してしまい、森川如春庵のものになったとありますね。
(略)
平瀬家が間違いだと知って、茶碗を返してもらいに行ったけれど、森川さんは「イヤだ」と。
(略)
1000円を持参し「息子がどうしても言うことをききません。これでなんとか」
(略)
その1000円を受け取って、さらにそれではといって「乙御前」に添わす五郎棗を渡してくれたというんですね。

如春庵、コドモかよ!…いや子供か。

しかし、道具屋って道具を売るのが仕事だと思っていたけど、結構買って死蔵したりもするもんなんだね。そういうのが判って結構面白かった。

美を見抜く眼の力 夢の美術館

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