殴り合う貴族たち

繁田信一/角川文庫/2008。


茶道に平安貴族の知識は欠かせない。


日記、という同時代資料から紐解く、その平安貴族達のバイオレンスな日常。

貴公子達は取っ組み合い、冠をむしり取る。牛車には石つぶてが雨あられと投げられ、家々は略奪され破壊され、姫君は凍死し犬に喰われる。

そんな平安貴族達の不品行の数々。

  1. 拉致監禁
  2. リンチする
  3. 押し込み
  4. セックスする

事も、

  1. 召し籠め、
  2. 陵礫す
  3. 推し入り、
  4. 懐に抱く

と言い替えれば、なんだか雅び。

…そうでもないか。

紫式部の周りにいた男達がどんな奴らだったか、この本を読めば良く判る。

光源氏が、下半身だらしない駄目人間なのではなく、比較的抑制が効いた夢の貴公子なのだ、という気がするようになるよ、マジで。

殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫)

殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫)