茶の湯アラカルト
柳澤宗淵/ミューアドセンター/1976年。
いきなりだが本書の章立てを列挙するぜ。
待ち合いで、露地で、茶席での心得。
各種道具の仕組み、作り方、見所。
これを、250ページ程度の冊子で、簡にして要を得た、しかも「先生と生徒との会話形式」という判りやすい表現で説明しきった、ある意味奇跡の書。
著者の流派は不明だが、いくつかの大学の茶道部の指導をしていたみたい。
でも茶道の「流儀の部分」を省くことでこの情報量が生まれた、のだと思う。
私:(前略)お詰は腰掛の円座の始末をしてください。煙草盆も出ているし、寒い時は手あぶりもありますから、皆はじめにあったようにもどしておきます。
生徒:お詰は最後に腰掛に来たので、どうなっていたか、初めのことはわからないでしょう。
私:理屈はそうですが、そこが茶事の約束で、お詰をつとめるぐらいの人は知っているわけです。(後略)
こんな具合ですごく実地的な感覚だし判りやすい。
掛物なんて表具の真の真から草の草まで解説するし、釜の鋳方や籠の編み方まで解説が有る。おまけに茶巾の仕立て方や箱の材質から組み方まで。
ちょっと変わった視点だけど意外に役に立ちそうです。オススメ。
23区では足立中央、杉並中央にあり。
(一部意味通らない所修正)