仕舞いの挨拶
戻って来た茶碗に汲み入れた湯を建水に捨てた所で正客が「どうぞお仕舞いください」と挨拶をする。それが薄茶のルールである。
これを忘れると亭主は淡々と?お代わりのお茶を点てる事になる。
デフォルトはお代り有り、なのな。
裏千家では濃茶平点前ではその挨拶は必要無い様だ(“裏千家茶の湯”を読む限り)。
濃茶のお代りなんてありえん、という前提なのだろう。
しかし、うちの流派は、挨拶無いと濃茶二杯目が開始される。濃茶もお代わり有り前提なのだ。
だって二杯目所望される事に備えて客前で茶碗を綺麗にすすいでから、もう一度お湯を入れて温める手順になっているくらいだもの。
…実際には替えの茶入を水屋に取りに行く羽目になるけどね。
なので、裏の流儀の客が、うちの流派の濃茶の正客になったら、お代りが練られてしまう筈だ。理論的には。
この前、今年の点て初めを行った。
私が濃茶を点て、亭主も相伴した。妻が薄茶を点ててくれたので、「どうぞ御亭主も御自服ください」と挨拶し、自服してもらった。
ふと思った。
亭主自服の後に仕舞いの挨拶をしなかったら、亭主自服のままで無限ループするのだろうか?
あるいはしまおうとする度に「どうぞ御亭主も御自服ください」と挨拶したら、亭主はどうなってしまうのだろうか?
勿論常識では何事も起こらないと判っているが、理論的にはどうすべきなんだろう?とか考えてしまった。