古事類苑14 数寄屋

濁語より:

近き世に人のもてあそぶ茶の道こそ、いと心得ぬことなれ○中略、
かこひのつくりは、傳へ聞く維摩居士の方丈の室よりも今少しせばくして、小さき窓をあけたるのみなれば、白晝にもくらく夏は甚あつし、
客人の出入る口は狗賓の如くにて、くゞりはらばひしていれば、息こもりて冬もたへがたし○中略、
又物ずきとて、家作より諸の調度に至るまで、常にかはりて珍らしくやさしきことをばすれども、茶人の家居は必柱なども細く、障子の骨迄も風にたへぬばかりにほそくす、或はまろくゆがみたる柱を皮ながら用ひなどして、ものずきをかしと興ず、

最近はやりの茶道ってのが納得できん。
(中略)
茶室は伝説の方丈よりも狭く、小さい窓を開けてるだけなので白昼も暗いし夏はめっさ暑い。客の出入口は犬の化け物の様に腹ばって潜るから、息が籠って冬でも耐えられない。
(中略)
又、物数寄とか言って、茶室は建築から内装まで変とかオリジナリティとかレアだとかビューティホーとか目指しているけど、おかげで柱も細く、障子の骨も風に負ける程細い、あるいは丸く歪んだ柱を皮付きで使って、物数寄カコイイっておもしろがっている

ってとこか。


茶人批判ってのは常にあるものだけど、まぁこれなんかは割と正当かな。

茶室は住居ではないので、住居として評価してもしかたないのだが、住居としての評価をしたら、やっぱ異常な建物だよねぇ。