宗春行状記

海音寺潮五郎富士見書房/1990年。

ただしこの本と「尾藩勤皇伝流」と「吉宗と宗春」は「風流大名」の改題らしい。ややこしい。

海音寺潮五郎を扱うのに茶道太閤記、ではなくてこれにしたのは、どこぞで名古屋の気風、茶道隆盛が徳川宗春の治世に由来する、というのを読んだから。


強引な財政緊縮で幕府の経済立て直しを図る徳川“米将軍”吉宗。しかし、彼の経済政策をあざ笑うかの様に派手派手な経済刺激策で尾張を繁栄に導く徳川宗春…の確執を描いた一冊。

それなりに面白いが、「おいら無茶やっちゃうもんねーうほほーい」「このくそガキが!隠居しろ!」「はぁい…」みたいなストーリーなので、読後感はビミョー。


でもまぁ、徳川宗春の、派手好きと公共事業好きと対首都への反骨は、連綿と受け継がれ、

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開府400周年に持ち上げられちゃうくらいは愛されている。という事か。

宗春行状記 (時代小説文庫)

宗春行状記 (時代小説文庫)