しろうと骨董道楽のすすめ

杉江唐一/池田書店/1981年。

古美術や骨董に関する本は、ずいぶん読んでいる。
よい著書が多いので感服するが、自分の蒐集品を書いた本には申し合わせたような共通点があり、それを読むたびに首をかしげたくなる。
おのれの蒐集品に対する自画自賛、うぬぼれ、あばたもエクボの惚気ばなし。
(中略)
どれを読んでも読む者の眼が曇ってくるから、あまりいい勉強にならない。

うむ、よく判る発想である。

しかし、それに対する著者の発想が、若干ぶっとんでいる。

そこで、考えた。
「よし武者修行に出かけよう」
(中略)
すぐさま私は、町の蒐集家、地方の「蔵」を訪ねる計画をたてた。

他人の自慢がウゼーので、うぶ出しにまわる、というのはどういう脈略だろうか?


ま、おかげで「素朴なじーちゃんばーちゃんの持っている逸品」とか、「地方のコレクターの妙なこだわりの逸品」とかが見れて、面白いといえば面白い。

でも僕等はこれを読んでも蔵巡り、とはいかないわけで、面白いけど、あんま実用的でもないような。

しろうと骨董―道楽のすすめ (1981年)

しろうと骨董―道楽のすすめ (1981年)

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