茶杓の作意

さて、昨日の茶杓ですが、銘は“てんごう”すなわち悪ふざけ。


実は税込み630円の茶杓をちゃちゃっと削って見所っぽい傷を付けて、透き漆をまだらに拭いたものです。

元はこんなの↓


アートナイフでさくっと削ってモーターツールでギャーと仕上げて。漆を乾かすのに3日掛かったのを除外すれば手間は30分くらい?

でも実際、かなりいい感じに見える茶杓に仕上ってます。


もちろん、こういう作意は許されないだろうな、と思っていますが、じゃぁ「茶杓にするといい感じの変わった竹」を必死に探し求める、というのだって作意は作意じゃねーか、自然の虫食いは良くて、モーターツールがいかん理由は何よ?銘竹がどんだけの作意を持って生産されているか知ってるか?硫酸とか使うんだぜ?的な気持ちを込めて作りました。

そして、安茶杓をベースに手間無くいい感じの茶杓を作る、という行為が駄目なら、下削りした茶杓にちょんと刀を入れて自作にする行為もだめでしょ、という気持ちも込めて作りました。


うん、ひどいね。


一応漆しか着色に使ってないので実用に使える茶杓です。でも使う気はさすがにない。竹に漆だから、袱紗で拭くと剥げる可能性が高いですしね。


製作裏話としては、うちでは茶漉しにも使っているあの頑丈な安茶杓が、数日漆の風呂(多湿のタッパー)に入れるだけで、撓めが伸びてしまったのにはびっくりしましたぜ。