マルセル・デュシャンと柳宗悦
レディ・メイドシリーズの“瓶掛け”があった。
茶の湯的な鉄瓶のっける奴ではなく、ガラス瓶を引っかけて干す針金のツリーみたいなものだ。
この“瓶掛け”、有名な“泉”なんかと違って、その物自体が(私には)めずらしく、その為に日常からアートに流れる文脈が成立しない感じ。ぶっちゃけ物が面白すぎて芸術として駄目だと思った。
さて。
デュシャンのレディ・メイドシリーズは、日用品を勝手に「アートでござい」って美術館に置いちゃえば、それは芸術品になる、という試みである。
柳宗悦の、日用雑器を茶の世界に持ち込んで「いまどきの名物でござい」ってやり方となんとなく似ている気がする。
同世代のこの二人が、同じ様に日常雑器に注目していた、というのはちょっと面白い現象ではないだろうか?
ま、便器と食器じゃエラい違いだけどな。