畠山記念館 国宝離洛帖と蝶螺鈿蒔絵手箱

今回は離洛帖が主役。

なので他の展示はやや低調。

おなじみの乾山色絵藤透鉢や粉引茶碗松平などがお出迎え。
そんな中では高取手鉢がよかったかな。白い藁灰釉の渋い逸品。



展示室の片側には、蒔絵の手箱がずらりと並ぶ。肝心の国宝の蝶螺鈿蒔絵手箱は5/14以降の展示なので、まだ展示されてない。残念。

…ていうか離洛帖も全期間展示じゃないしな。
テーマタイトルは「おおむね国宝離洛帖とときどき蝶螺鈿蒔絵手箱」とかに変えた方が正直でいいと思うよ?


ま、気を取り直していろんな蒔絵の手箱を見る。
鎌倉/室町の平蒔絵の手箱をじっくりみてから、別に展示されている江戸時代の高蒔絵の箱と比較すると、時代の変遷による技法の発展が見えて面白い。
…ていうか、桃山時代の工芸界に何があったんじゃ!ってな感じである。


さて、本番の離洛帖。

この消息は藤原佐理太宰府へ行く途中で「あ、摂政に挨拶しとくの忘れてた」と気付いて甥に向けて書いた、「代りに謝っといて」という手紙である。

筆跡自体はぐわわっと書いた勢いのあるお手紙で、まぁ観賞とては楽しいのだが、なんでこんな内容の手紙が国宝に…?という感じがしなくもないなー。