利休の茶花

湯川制/東京堂出版/1970年。1990年に再販あり。

生け花利休古流の本ではない。
利休はどんな風に花を入れていたか、という研究書。


ただし、利休の茶花の情報は少ない。玉石混淆の資料の中で著者は手探りする。

だから利休百会記や南方録も資料にしてしまっている。

信頼できる資料と出来ない資料。歴史と逸話を著者は一応区別しながら研究しているが、それでも自分の主張を表明するために、怪しい資料を論拠にしてしまうこともある。


でも。

それよりも気になるのは、茶道が日々変化していることに関しての配慮考察が足りない気がすること。

利休の時代、特に天正年代は茶の変革期に当たっていた。

この頃の茶花を、今の茶花の常識から解釈していくのはどうなんだろうか?


床飾りの常識が変化し、茶花が後段に飾られるのが常識化したのは江戸時代中期ぐらいだと私は考えている。

こういう変革の流れを追わないと、利休の茶花を考えるのは難しいと思うのだが‥。

というか、ぶっちゃけ利休の時代、花は茶道の重要な要素じゃなかったと思うんだよね。


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