近代の禅僧と茶の湯
淡交2002年増刊号。
構成はこんな感じ。
- 近代の禅僧ゆかりの茶道具(グラビア)
- 茶禅一味の濫觴
- 近代の禅事情
- 近代の禅僧略歴
まずグラビアで茶杓とか掛軸とか見せて、近代の禅僧にもこういう茶の湯道具がありますよ、とお見せしますわな。
次に室町の禅僧と茶について書いて、茶と禅の繋がりを強調して、やっぱ禅僧は偉いですよ、と持ち上げるんですな。
続いて明治以降の禅をめぐる環境を書いて、廃仏棄釈の話やらの基礎的な知識をインプットします。
最後に、主要禅僧の人名事典。
これはアレですね。茶道具屋の為の本ですね。
誰も彼もが一休さんのお軸を持てるわけではない。でも誰かのお軸がないと話にならない。
存命の坊さんってのも微妙に困る。
知合いで頼んで書いてもらった、なんて来歴ならまだしも、道具屋でただ買うだけだと有難味が足りねぇな、と思う。
明治あたりの坊さんなら、まぁ値段もそこそこだし、いいんじゃないか?
茶人に対してそういう事を提案する本ですね。
さすがに書籍化まではできんかったのだとは思うんですが、ある意味貴重な本かもしれない。