茶能湯主客獨稽古6 茶客之心得

一人稽古の教える、客作法から抜粋。

○茶湯の當日に行には、先頭髪を不潔なき樣になし、穢れざる衣服を着し、上下を持参すべし

大正時代にもなって、裃が必要だったんだろうか?
いくらなんでも大時代な装備な気がするのだが…。

○爐の時には足袋をはくべし、又風爐茶湯の時には足袋をはかず

風炉のシーズンに足袋を履かない風習は大正時代にも続いていたのだろうか?

○廬路又茶室の中にて小聲にさヽやくべからず、
又高聲しべからず、何ごとをいふにも平常の聲にて静に云ふべし

実際的な示唆である。

○會席料理食し終れば椀皿の類何れもきれいに為し膳の中へ組入おくなり、
是は上客のなす樣になすべし、
箸は懐中紙にて拭て膳の中へおくべし

懐中紙に包むのだから、箸を落して音を立てるという風習はなかった筈。
箸を落すのはよっぽど近代の風習なんだろう。

○潜りを出て上客より淳司に腰掛へ行く、
連客腰かけ在て茶室の置合せの整ふを待つなり、
亭主茶室の置あはせ出來案内をなすか又は喚鐘どらを打か又は潜りの戸を明るかすれば、上客より一人宛水をつかひ初の座入に為す如く潜りへ入る、
是を後の座入といへり

やはり銅鑼の聞く姿勢に関する記述はないようだ。
大正末年くらいまで、表千家では銅鑼はしゃがんで聞くものではなかったという事だな。