近世茶道史15 終章 近世茶道の展開

終章は、各章で述べていた結論を順に列挙しただけのものなので、内容は省く。
淡交に連載したものらしいので、最終話にそういう整理が必要だったのだろう。


私なりに本書を総括する。


本書は日記や茶会記など、ちゃんとした資料をもとに江戸時代の茶を総括しようとしたものである。

それだけに、記録が残る程に卓越した個人の羅列として茶史を語り過ぎているきらいがある。
つまり、茶の湯を巡る一般情勢はほとんど語れていない。

南方録とその影響。茶書の出版ラッシュ。江戸中期以降、豪商の元にどういう経路で茶道具が集まって行くか。町方の茶の湯人口の推移。

そういった事も書かないと「江戸時代の茶の湯」の実態を解き明かした事にはならないと思う。

面白かったけどそこが残念だったかな。