急にアリスはひらめきました。「じゃあそれで、お茶のお道具がこんなに出てるのね?」
「そ、そゆこと」と帽子屋さんはためいきをつきました。「いつでもお茶の時間で、あいまに洗ってるひまがないのよ」
「じゃあ、どんどんずれてくわけ」とアリス。
「ごめいとう。使いおわるとだんだんずれる」
清潔を重んじ、次々と席を移す帽子屋さんの行動は、「茶巾さえきれいであればお茶はできますよ」と諭した利休の言葉にもつながります。
不思議の国のアリスの精神が、利休のお茶にも脈々と受け継がれていることが判ります。
…。
工夫すればなんでも出来そうな気がしますな。
なお不思議の国のアリスの訳文は山形浩生訳を使わせて頂きました。