茶杓をつくる5 荒削り

私は長い間、竹閑さんから教わった通りに、曲げてから三週間くらいはよく乾燥させ、それから縛っていた紐を解いて、それを削っていた。
しかし私は、曲げた竹はもうそのまま元にもどらないのだから、すぐその場で荒削りしてもよいのではないか、と考え、誰に叱られることもないので、失敗してもいいからとそれを試みた。
ところがそれは見事に成功した。何もかも放棄して、曲げては荒削り、曲げては荒削り、と、茶杓狂になってしまったのは、このことの成功からである。

採取→浸水→(2日)→曲げ→(数週間)→削り

であれば、数週間のインターバルが必要になるのだが、ここが実質0になってしまって歯止めが効かなくなったというわけか。
いい話である(そうか?)。

このあとまず、曲げたところの両側が黒く焼け焦げているから、その焼け焦げをさっと削り取る。
(中略)
たいていは曲がり角が外側に大きく割れて、口をあけているものである。
だからこの口をあけているところへ刀を入れて削ると、櫂先の部分ははぎ取れる。

私の経験では曲げた部分から竹をはぎ取ると、本削りすべき余地が残らない。
もしかするとかなり肉厚の竹を使っているのか?というか私の竹選びは間違っていたのかもしれない。
サイズさまざまな竹を削ってみる他あるまい。