茶の世界史

角山栄/中央公論新社/1980年。

主に西洋と茶のかかわりを書いた一冊。
そういう意味では「世界史」というのはふさわしくない気がするが、80年代はまだそういうのが「世界史」だったのだ、と納得するしかないかもしれない。

プロローグより:

彼らが日本で発見したものはいろいろあるが、その最大のものは、実は茶であった。
いや「茶の湯」文化であったといった方がよい。
ヨーロッパの歴史で茶がはじめて登場するのはこのときからである。

同じころ、ヨーロッパ人は中国において茶を知った。
しかし中国の茶が彼らに与えた文化的刺激は、日本の茶ほど強烈ではなかった。
というのは、彼らが日本の茶にとくに魅せられたのは「茶の湯文化」にほかならないからである。

面白いんだが…ちょっと日本推し過ぎである。

バブル期の日本人の自信が漲っていた、という感じがする。