茶道浦のとまや4 無用

本書に書かれている茶の湯の心得が非常に含蓄深い。

(一)主客とも妄にしやべること無用
(二)薄茶の時など話をして差支なき時にても閑話清談を主とすべし
(三)他の茶の湯の批評たしなむべし
(四)客は尋ぬべき事は機をはづさぬやうにすべし
(五)客は其日の亭主次第たるべきこと
(六)相客は上客次第たるべきこと
(七)下座より下知差圖無用たるべし
(八)茶の湯其日一日は一生に一度なること
(九)薄茶すみて後長ばなし無用のこと
(十)明日の茶の湯は明日又一日なること
(十一)茶の湯に參る節花其他茶事に入用の品妄りに贈ること無用
(十二)酒三献の外亂に及ばざること
(十三)互に盃取やり無用のこと
(十四)茶の湯は茶席の茶の湯のみならず即廣馬にても飯を戴きし後は其節手水つかひ申すべく是れ茶人たるものゝ心掛たること
(十五)茶の湯に參りたる途中にて俄に同伴の人など無用たるべし俄に茶所望する人ありとも決して同道すべからざること
(十六)足袋を用ふる時は待合にて必ず改むべし道路を歩みし足袋などそのまゝにて席入すべからず

「無用」ってのは、そういう事をする人が結構いたという事を示す筈だ。
11や15なんて特に亭主が困りそうだ。

非常によい心得だと思うのだが、「無駄に分量が多い」という欠点があるかな。
8と10は一つにすべきだし、12と13もそう。

もっと簡潔にしないと心に響きにくいもん。