茶道浦のとまや6 千鳥
本書での千鳥の盃の描写。
八寸持出たる時の御酌は亭主致すべし、
主は吸物の蓋を乞ひて八寸の上なる肴を進むべし
一順つぎ了らば主は燗鍋改めて上客の前に座し今一献と進む
此時上客よりは御盃致したき故御別盃御持出しなど言ふ主は別に用意仕らず其儘いたヾき申すべしと言ひて上客の手元にある盃にて盃事あり、
叮嚀なる時は各客より主に對し盃事あるべし、
こんだけである。
現代の千鳥が「亭主がお流れを要求する」とこからスタートし、海の物山の物を分けて二順回るのにくらべ、亭主から正客への返杯の形式からスタートし、次客以降へは行かないかもしれない明治の盃事はとってもシンプルである。
…いつごろ今みたいな面倒なロジックが考えられたんやろな。