玉川遠州茶道秘訣抄27 勅筆飾の傳

勅筆を掛けるような機会があるか、といえばないと思うが、考えてみると名物茶入でお茶を点てる機会よりはありそうである。

当然床飾りが特別になる。

床の眞中に敷紙をして掛物を横に飾立
敷紙は大鷹或は中鷹小鷹にても床の大小にもよるへし
四つに折形を附置
二つに折横に敷置

紙を敷いてそこに巻いたままのせるようだ。


客入りして挨拶。

正客珍敷御飾付定て御由緒可有之御掛け被下拝見改度といふ
亭主勝手に入右に掛竿を持出
(略)
床前に行居り掛竿を床前の畳の右の方に置
右にて掛物を上よりとり左へ持替 左にて上より持つなり
右にて敷紙を竪に伸置
たくぼくをすこし開きかけ敷紙の上にて中縁を静に明けたくぼくを勝手の法へ引 印ある方へ引もよろし
風袋を露までよく伸し右にて掛竿をとり左にて掛緒を筈にかけ笠を左に掛物を持居
右にて敷紙を四つに折懐中して立て左の足より上り掛物をかけ左より下る 客の方へ尻をむけぬ様にすへし

正客は拝見を乞い、亭主はうやうやしく敷紙の上で広げ、床に掛ける。


その後客が掛軸を拝見。亭主が炭手前に入って来た所で

是時正客御炭より先つ御軸物を御巻被下といふ

掛け物を巻いて早々に花を入れる。

炭が飛んだり懐石の匂いが移ったらもうしわけない…という感覚で茶事を進めればいいのかな?