千宗旦古流伝書11 拝見

拝見の挨拶の例が本書には長々載せられている。

一部抜粋する。

正客 御面倒ヲ掛マシタ此御茶入ハ何レノ御焼デ御坐リマス
主人 一向主人モ心得マセンカ御鑑定ハ如何テ御坐リマシヨウ
正客 私共モ分リ兼マスカ
主人 或人ハ高取ニハアルマイカノ様ニ申居ラレマシタ
正客 如何ニモ其辺ト相違ハ有マスマヒ御時代ト申誠ニ結構ニ御坐リマス

「このお茶入の窯元は?」
「いやーわっかんないっすねー。どこに見えます?」
「うちらにもわっかんないっすよ」
「高取では?って言われたことはありますねー」
「あーなるほど。古そうでいいっすね」

こんなやりとりである。

うぜぇ。

本当にこんなうざい問答だったんだろうか?

道具ハ主人ニ在テハ充分承知シ居ルモ成ル可クキツパリ云ハザルヲヨシトス
正客モ見定メ付タリトモ主人エ問ヒ相互ニ禮譲ヲ守ル可シ

うん、そうだったみたいだ。