千宗旦古流伝書14 四畳半切濃茶点前

この流派の炉の濃茶の点て方なのだが、茶を練って出すトコまでごく普通。

茶巾取出シ其侭水指ノ蓋上ニ戻シ

ただ、茶碗を拭いた茶巾を、そのまま水指の蓋上に戻す、というのが珍しい。

んで、茶を出すトコですが

茶ノ点チヲ改メ鉤畳乃処ニ居直り法ノ処エ出シ進メ用意ノ別帛紗ラモ添エ出ス
正客一口飲ミタル時御服ハ如何ツマリ不申哉ノ挨拶シ炉前ニ戻リ茶巾絞リ元ノ如ク畳ミ釜ノ蓋上ニ載セ
右ニテ水指蓋取リ法ノ如ク拭ヒ左ニテ水指ノ左横エ表ニ客付トシ持シ掛ケ
取柄杓ニテ水ヲ釜エ一杓又ハ二杓差加エ其坐ニテ茶碗ノ戻ルヲ待ツ

茶の点ちを確認し、客に相対する様に移動し、出帛紗を添えて茶碗を出す。
正客が一口飲んだトコで服加減を聞く。
炉の前に戻ってびっしょりした茶巾を絞って釜蓋に移動。
水指の蓋を開け、釜へ水を一杓か二杓差し、茶碗が戻るのを待つ。


中蓋、中仕舞い、茶碗や茶銘の問答は無し。
びしょっとした茶巾をそのままにしておき、それを絞る作業だけする、
…というのは珍しい気がする。


案外昔のお茶ってのはこーゆーシンプルなものだったのかも、とか思えて面白い。