茶事談
南秀女/皇都書林/1760年。
江戸中期の茶書。
著者に関しては不詳。
和漢茶之濫觴
夫茶道ハ隠君子ノ玩弄ニシテ風雅礼式ヲ専トス
中華ニテハ初ハ南邦ノ人ノミ茶ヲ飲事ヲ知テ北國ノ人ハコレヲ知ズ
呉ノ孫皓韋昭ニ茶ヲ輿テ酒ニ代シメ
又謝安陸納乃家ニ詣リシ時茶菓ヲ設テ馳走セシ事アリ
この序文、呉書と晋書から引用することで、
- 呉の付近では喫茶の風習があった。
- 茶経以前にも喫茶の風習があった。
ということを明かにしたかったのだと思う。
だが、前者は酔っ払い(かつよく部下を殺す暴君)が、家臣に7升酒を飲ませてから議論させ失言待ちしていたが、韋昭(韋曜)には2升あるいは茶で勘弁していた、でも後に寵愛が薄れ、7升飲ますようになった、後者は射安の来訪を茶菓でもてなそうとした陸納に内緒で宴席をしつらえた陸叔が40回殴られた、という割とろくでもないエピソードである。
あまり人前で開陳できるネタではないような。