茶式湖月抄7 道幸

一 道幸
若き人にても遣て宜し大目畳の道幸戸向へ引

若い人も使っていい。
台目畳の道庫の戸は向こうに引く。

道庫は本来、道具を運べない老人のものの筈だが、老人用とは限らない、と著者はいう。

台目畳の場合、点前座は前後につまっているので、戸は逆方向につける、ということだろう。いまいち納得いってないけど。

取扱やう 棚物の通
水指は出し入れも休ませ其外休ませることなし

なにを「休ませるか」よくわかりにくいが、たぶん道庫にある道具の内、水指以外は出し入れするが、水指は道庫にあるまま使え、という事だと思う。

というのも

道幸の口一度ヽヽにしめ又明て水を指跡を口しめる
柄杓湯返しなし
釘は左の手で掛し

道庫の口は毎回開け閉めして水を指し、後で口を閉める。
つまり道庫から水を指しているからである。

水指は重いので、道庫からの置き合わせは無理だろ、という判断だと思うのだが、
体力的に楽になる分、繁雑な手続きになってしまうのだろうか?

柄杓は湯返しなし、というのも、水を指す回数を減らせ、と言う指示なのかもしれない。