茶道入門

木下桂風/愛隆堂/1964年。

序文より。

上品で奥床しいお茶の道は、私達の心をなごやかにし、生活の憩いをあたえてくれます。

序文の最初がこの文章で、裏拳で突っ込みたくなったわ。


明治28年生まれの著者は、近代数寄者の時代を知っている筈。

茶が、おくゆかしかったりなごやかだったりうるおったりしない事を知悉していなければおかしい。

戦後、茶道の女性化の時期に、いままでにない茶の湯の変質があったんじゃなかろうか。…それも、指導者層が意図的に起こした、茶の湯の価値観に関するねじ曲げが。